めまいは症状の現れ方によって２種類に分けることができます。
１つは天井がぐるぐる回るようなめまい（回転性めまい）、２つ目は自分がふわふわ宙に浮いているように感じるめまい（動揺性めまい）です。

私達が、めまいを起こした時のようにフラフラすることなく、まっすぐ立っていられるのは、“内耳と脳”の機能が密接に関わっています。
※内耳とは、耳の奥にある平衡感覚などを感知している場所です。

ではまずは、その具体的な仕組みをご説明して参りますね！
私達の“耳（内耳）”には音を聞く以外にも、頭の傾き具合をチェックする機能が備わっています。
例えば、電車に乗っている時に、車両の揺れで体全体が少し傾いたとします。
すると、耳の中にある三半規管や前庭というところで「頭が右側に３０度倒れています」というような情報をキャッチします。
そして、その情報を“脳”に送信するのです。
この情報を受けとった脳は、傾いた頭をまっすぐ立て直すために、筋肉に命令を出して体勢を整えようとします。
このような作業が頭が傾くたびに瞬時に行われることで、私達は特に意識をしなくてもバランスを保ちながら生活できているのです。

しかし、この“内耳と脳”の働きに何かしらの異常が起きた場合、めまいが起きることがあります。
具体的には、炎症や腫瘍、または機能そのものの低下の場合も考えられます。
これが、めまいの原因の一つとして考えられる″内耳や脳の機能障害″というものです。
この病気の発見には病院での検査が必要なため、めまいが起きた際は病院での診察を受けていただくことが重要です。

ただ、当院のホームページでこの記事を読まれている方というのは、病院での検査では何も異常が無かった方だと思います。
ではなぜ、内耳や脳などに異常がみられないにも関わらず、めまいが起きるのでしょうか？

その要因の一つは、脳の一時的な機能低下（病気ではありません）だと考えられます。
どういうことかと言いますと、上記で体のバランスを整える仕組みをご説明した通り、頭の傾きはまず内耳の機能によって確認されます。
この内耳で得た情報が脳に送られて、「体が傾いている」と脳によって認識されています。
その上で、脳から筋肉に体の傾きを直す様に命令がだされてバランスが整っているのでしたね。

ですがもし、「脳」が内耳からの情報に気づかず、体の傾きを認識できていなければどうなるのでしょう。。
当然、そのあと体の傾きを正すために出されるはずの、筋肉への命令も出ないことになります。
すると、おそらく上手く体のバランスをとることが出来ずにフラフラしたり、バランスを取ろうとしても筋肉が上手く動かずにフワフワと不安定な状態が続くと考えられます。
つまり、めまいが起きるというわけです。

このような体のバランスに関する大切な情報を、優秀な脳が見落とすとは考えにくいかもしれません。
しかし、脳は精神的なストレスを多量に受けると、一時的にその働きが低下してしまうのです。
例えば、
・責任の重い重要な仕事がいくつも同時進行で進められている
・仕事でのトラブルが続き、その対処に精神をすり減らしている
・人間関係で大きなストレスを受けている
・お子様の進路や学校での問題に頭を悩ませている　　…etc

上記は、めまいの改善を目的にお越しになられたクライアント様が抱えておられた状況の一例です。
脳の持つ本来の能力をもってすれば体のバランスを随時整えることは難しい話ではありません。
しかし、ストレスによって脳が機能低下を起こすと、たちまち体に何かしらの不具合が起こり始めます。
その不具合が、めまいとなって現れていると考えられるのです。
つまり、精神的なストレスによる脳の情報処理機能の低下が、めまいを起こす一因となっているわけです。

めまいは精神的なストレスによって引き起こされていると考えられますので、当院では心理療法による″ストレスのケア″を行っております。
ストレスのケアを行うことで脳が本来の働きを取り戻しはじめると、病院での検査では原因が分からなかっためまいが改善するケースは多々ございます。
精神的なストレスを自覚されていても、その解消方法が見つからずに悩んでおられる方にも自信を持ってお勧めできる手法ですので、いつでもご相談頂けますと幸いでございます。